陶仙の俳句の部屋

少しばかりですが注釈を加えながら私の俳句を紹介します

2007年06月15日

いつか訣れる母  陶房にふかし芋 いつか母と別れるがある、陶房に持って来るふかし芋、なんだか母が愛しくなってくる
エリートあり入れ知恵もあり  敬老の日 敬老の日は いろいろの幼馴染の老人が集まる、解らぬ事を誠意を持って教え会う良い機会で、中には学識経験者も混じって意義ある一日であった

2007年06月02日

体験記  孫の歯型が渋柿に 渋柿に歯型が付いている、つい笑いがこみあげてくる、甘いと思って齧り付いたのが渋いと気付き、驚いて投げ捨てた孫の顔、 可笑しくもあり大袈裟だがこれも孫の貴重な体験記と思って、其の歯型を見入っている
「おはよう」から友一人増え  落ち葉道 朝の散歩で出会う知らない人に「おはよう」と声をかけたら「おはよう」其れから親しみを覚え言葉を交わすようになった、なんとなく嬉しく温かみを感じる朝の今日この頃です
見舞の客  孤独になって匂いだす 入院は時には孤独に襲われることがある、親交の友が見舞いに訪れると嬉しいものです食べ物も良いが花が雰囲気を変えてくれる、友が帰り寂しくなると貰った菊の匂いが急にただよってくる
力尽きた塾柿に思う  安楽死 柿が実をつけだんだん大きくなる そのうち熟れてくる 害虫や鴉にも犯されず熟柿になりきって最後は地球の重力に負けて力が尽きる、なんだか人間の安楽死に似ている一つの侘しさを感じる

2007年05月30日

生き抜いて風の形で 芒野枯れ 芒だってこの世に生まれて生きてきた 雨に打たれ風に吹かれ最後は老いて銀髪のようになって一生を終える
太極拳の構えで動く 糸柳 太極拳はゆっくりとした動きであるが長時間やると案外にしんどい 糸柳は毎日毎日太極拳をやっている
肩書きとれ我が影を連れ わらび狩り 肩書きがあればある程息苦しい思いをすることがある 勤めをやめ肩書きもとれて友は自分の影だけ連れた自由の一時
言い過ぎた後の淋しさ 茄子ちぎる 腹立たしい思いをした時につい言い過ぎて後で後悔することがある 茄子をちぎり乍ら反省している一時です
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